建設業許可【取得に必要な営業所の要件って何?】について徹底解説!

建設業許可取得をしたい方で営業所の要件について知りたい方は必見!!
この記事では許可取得に必要な営業所の要件について具体的に解説しています。
実は建設業法上の営業所と認められるにはいくつかの要件をクリアする事が必要になります。
この記事を読めば許可取得に必要な営業所の要件についてわかります!!

本記事を読んでわかるポイント


  • 営業所の定義や要件
  • 営業所に必要な人員配置
  • 営業所の注意点

建設業法上の「営業所の定義」とは

建設業法上の「営業所の定義」は以下のいずれかになります。

建設業法上の営業所
①本店又は支店
常に、建設工事の請負契約を締結する事務所 
③他の営業所に対して、請負契約に関する指導監督をおこなう等建設業に係る営業に関与する事務所

「常に、建設工事の請負契約を締結する事務所」とは請負契約の見積り、入札、契約の締結に係る実体的な行為を常時行う事務所をいいます。

①~③いずれかに当てはまれば、そこは、建設業法上の「営業所」に該当し、次の要件を備える必要があります。

「営業所」に備える必要がある要件
①請負契約の見積り、入札、契約締結などの実体的な業務を行っている
②電話、机、事務台帳、応接場所が備わっており、居住部分などとは明確に区分された事務所である
③経営業務管理責任者または令3条使用人が常勤している
④専任技術者が常勤している
⑤営業所としての使用権原を有している

「営業所」に該当しない場所

営業所に該当しない場所は以下になります。

「営業所」に該当しない場所
・建設工事の請負業務を行っていない単なる登記簿上だけの本店や本社
・兼業しか行っていない事務所
・海外に設置された支店

・資材置き場
・臨時に置かれる現場事務所や作業所
・経理や事務連絡の為の事務所

上記の場所に関しては、建設工事の請負契約を締結する業務を行わない場所に該当する為、建設業法上の「営業所」に該当しません。

なので、当然に建設工事の請負契約を締結することはできません。

「営業所」の区分「主たる営業所」と「従たる営業所」とは?

建設業法上の「営業所」は「主たる営業所」と「従たる営業所」に区分されます。

主たる営業所

「主たる営業所」とは、建設業を営むすべての営業所を総合的にまとめる営業所になります。
建設業許可を取得する際には、必ず設ける必要があります。

主に、本店や本社がこの「主たる営業所」に該当しますが、建設業として実態を有しないものは、「主たる営業所」には該当しません(単なる登記簿上だけの本店や支店)。

主たる営業所には以下の人員配置が必要です。

「主たる営業所」に必要な人員配置
①経営業務管理責任者が常勤でいること
②専任技術者が常勤でいること

従たる営業所

「従たる営業所」は主たる営業所以外の営業所になります。
「主たる営業所」とは違って、「従たる営業所」は必ず設ける必要は無く、必要に応じて設けます。

主に、「○○支店」や「○○営業所」などの各支店が該当します。

「従たる営業所」には以下の人員配置が必要です。

「従たる営業所」に必要な人員配置
①令3条使用人が常勤でいること
②専任技術者が常勤いること

「経営業務管理責任者」について、詳しく知りたい方はこちら

「専任技術者」について、詳しく知りたい方はこちら

「令3条使用人」について、詳しく知りたい方はこちら

営業所の設け方により許可区分が変わる

営業所を2つ以上設ける場合で、それぞれ別の都道府県に設置される場合には、建設業許可の許可区分が変わります。

許可区分 営業所の所在地
都道府県知事許可 1つの都道府県のみに営業所を設ける場合
国土交通大臣許可 2つ以上の都道府県に営業所を設ける場合

例えば、滋賀県内にのみ営業所を設ける場合は、滋賀県の都道府県知事許可が必要になりますし、滋賀県内+他の都道府県にも営業所を設ける場合は、国土交通大臣許可が必要になります。

「知事許可」と「大臣許可」について、より詳しく知りたい方はこちら

「営業所」に必要な人員が退職等した場合

「営業所」には、経営業務管理責任者や専任技術者などの必要な人員を配置する必要があるとご説明してきましたが、もし、その人員が退職等でいなくなった場合は、どのような対応が必要なのでしょうか?

必要な人員がいなくなった場合は、代わりの人を配置する必要があります。

例えば、「営業所」に専任技術者がいなくなった場合は、代わりに専任技術者のなれる資格や経験があるものを配置する必要があります。もし、不在の状態で営業を続けると建設業法違反になるので、注意が必要です。

普段から必要な人員が退職等した場合の事を考え、備えておくと対応がスムーズに出来ると思います。

「営業所」で軽微な工事を請け負う場合の注意点

まず、前提として軽微な工事を請負う場合は建設業許可を取得することなく請負う事が可能です。

軽微な工事とは以下になります。

建築一式工事

①請負代金が1500万円未満の工事

or

②延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事(2分の1以上が居住用)

建築一式工事以外 請負代金が500万円未満の工事

軽微な工事は建設業許可せずに請負う事が可能なのですが、建設業許可を取得した後は注意が必要です。

軽微な工事
建設業許可を取得していない業者→請負が可能
建設業許可を取得している業者→請負場合は注意!!

建設業許可を取得する際は、建設工事の請負契約を行う「営業所」の届出をしますが、許可を受けた業種については、届出をした「営業所」以外で許可を受けた業種に関する軽微な工事を含んだ建設工事の請負をすることはできません。

例えば、主たる営業所で管工事業の許可を所得したが、従たる営業所は「営業所」としての届出を行っていない場合は、従たる営業所では、軽微な工事であっても請負う事は出来ません。

なので、従たる営業所でも軽微な工事を含む管工事業を請負う場合には「営業所」としての届出が必要になります。

営業所の要件のまとめ

建設業許可を取得する際は、「営業所」を設ける必要があり、「営業所」には2つの区分がありました。「主たる営業所」と「従たる営業所」には、それぞれ必要な人員を配置する必要があります。必要な人員を配置せずに営業を続けると建設業法違反になります。

また、軽微な工事を請負う場合は建設業許可不要でしたが、許可を取得した後は、「営業所」としての届出をしっかりと行っていないと軽微な工事すら請負う事が出来ないのが注意点でした。

これから事業拡大をお考えの方や営業所を複数持たれている方には必ず必要となる知識なので、しっかりと理解しておきましょう!!