建設業許可【「解体工事業」を取得する為の要件】を徹底解説!!

建設業許可の「解体工事業」を取得したい方は必見!!
この記事では、建設業許可の「解体工事業」を取得する為の要件について具体的に解説しています。
「解体工事業」とは「工作物解体工事」があたります。
この記事を読めば、「解体工事業」の取得する為の要件についてわかります!!

本記事を読んでわかるポイント


  • どのような工事が「解体事業」に該当するのかがわかります!
  • 「解体工事業」の取得要件がわかります!

建設業許可の「解体工事業」とは?

「解体工事業」とは、以下の工事をいいます。

「解体工事業」
工作物の解体を行う工事

具体的な「解体工事業」に該当する工事名は以下になります。

工事名
工作物解体工事

それぞれの専門工事において建設される目的物について、それのみを解体する工事は各専門工事に該当する。総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物や建築物を解体する工事は、それぞれ『土木一式工事』や『建築一式工事』に該当する。

上記のような工事を税込500万円以上で工事を請負う場合に、「解体工事業」の建設業許可が必要になります。

建設業許可の「解体工事業」を取得する為の要件

建設業許可の「解体工事業」を取得するには以下のような条件を満たす必要があります。

「解体工事業」を取得する為の条件
①建設業を営む会社での経営経験が5年以上ある
②「解体工事業」に関する国家資格または実務経験がある
③500万円以上の資金能力がある
④社会保険への加入
⑤欠格要件に該当していないこと
⑥誠実性があること

上記の①~⑥全ての条件を満たす事ができれば、「解体工事業」の許可を取得することが出来ます。

①建設業を営む会社での経営経験が5年以上ある

法人では常勤役員のうちの1人、個人事業主では事業主が、以下の条件のいずれかに当てはまる必要があります。

経営経験
①建設業を営む会社で
5年以上の取締役経験
②建設業を個人事業主として
5年以上営んだ経験

上記のような者を「経営業務管理責任者」と言います。「経営業務管理責任者」は建設業許可を取得する要件の中でも、かなり重要となる要件です。ほとんどのケースが上記のような経験で要件を満たす場合が多いのですが、極めて稀に他のケースで満たす場合もあります。そのケースは別の記事で解説してますので、下記より参考にして下さい。

経営業務管理責任者についてより詳しく知りたい方はこちら

②「解体工事業」に関する国家資格または実務経験がある

この要件は、下記の条件のいずれかに当てはまる技術者を、営業所ごとに常勤で配置する必要があります。

技術者
①「解体工事業」に関する国家資格を持っている
②「解体工事業」に関する実務経験が
10年以上ある
③「解体工事業」に関する実務経験が
3年or5年以上+指定学科を卒業している

「解体工事業」に関する国家資格を持っている

「解体工事業」を取得するには、以下のような国家資格を持っている技術者が必要になります。

「解体工事業」に関する国家資格
・1級土木施工管理技士
・2級土木機械施工管理技士(種別:土木)
・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士(種別:建築)
・2級建築施工管理技士(種別:躯体)
・技術士:建設・総合技術監理「建設」
・技術士:建設(「鋼構造物及びコンクリート」)・総合技術監理「建設」(鋼構造及びコンクリート)
・技能検定1級「とび・土工」
・技能検定2級「とび・土工」

・解体工事施工管理技士試験合格


技能検定2級に関しては、実務経験が3年以上必要。ただし、平成16年4月1日時点で合格していた者は実務経験1年以上に短縮されます。

平成27年以前に上記の資格を取得された方は、資格とは別に解体工事に関する1年以上の実務経験を有している又は登録解体工事講習を受講していることが必要になります。

上記に掲げた、「解体工事業」に関する国家資格を持っていない場合は、実務経験で要件を満たす必要があります。ただし、実務経験で要件を満たすのは、非常に難易度が上がりますので、出来る事だけ、国家資格を取得して要件を満たす事をおすすめ致します。

「解体工事業」に関する実務経験が10年以上ある

解体工事の実務経験を10年以上した経験があり、かつその証明が出来れば、この条件をクリアすることが出来ます。この証明は、実務経験10年分を役所が求める書類で、証明する必要があり、許可を取得する為の難易度が非常に上がる理由になります。

滋賀県では、下記のような証明書類の提出が求められます。

実務経験10年の証明方法(滋賀県の場合)

解体工事業の経験を記載した・・・実務経験証明書(10年分)+契約書(3年分)

実務経験証明書(10年分)→ 記載例はこちら

契約書 → 「工事請負契約書」や「注文書」など

解体工事業の実務経験10年の特例として下記の実務経験でも、要件を満たす事が可能です。

複数業種に係る実務経験
実務経験が
12年以上の者で、その内訳が下記の者
①解体工事業8年+土木工事業4年

②解体工事業8年+建築工事業4年
③解体工事業8年+とび・土工工事業4年

上記のいずれかであれば、解体工事業の実務経験が10年未満でもOK

③「解体工事業」に関する実務経験が3年or5年以上+指定学科を卒業している

指定学科を卒業していれば、解体工事の実務経験の年数が10年から短縮されます。。必要な実務経験の年数は指定学科を卒業したのが高校、大学により以下になります。

学科 高校卒業 大学卒業
土木工学に関する学科 土木(工学)科 実務経験5年に短縮
実務経験が3年に短縮
開発工学科
海洋開発(工学)科
海洋工学科
海洋土木工学科
環境開発科
環境建設科
環境整備工学科
環境設計工学科
環境土木科
建設(工学)科
建設環境工学科
建設技術科
建設基礎工学科
建設工業科
建設システム(工学)科
建築土木科
構造工学科
資源開発工学科
社会開発工学科
社会建設工学科
水工土木(工)学科
地質工学科
土木海洋工学科
土木環境工学科
土木建設工学科
土木建築(工学)科
土木地質科
建築学に関する学科 環境計画科
建築科
建築システム科
建築設備科
住居科
住居デザイン科
造形科

 

上記のような①~③のいずれかの条件を満たす者を「専任技術者」といいます。「専任技術者」は建設業許可を取得する要件の中でも、「経営業務管理責任者」と同様に、かなり重要となる要件です。特に10年の実務経験で要件を満たそうとするとより難易度が上がります。「専任技術者」の要件も別の記事でより詳しく解説してますので、下記から参考にしてください。

専任技術者についてより詳しく知りたい方はこちら

③500万円以上の資金能力がある

500万以上の資金能力があるかどうかは以下のいずれかに当てはまれば条件を満たす事が出来ます。

資金能力
①直近の決算で自己資本が500万円以上あること
②銀行口座に500万円以上資金がある又は融資が受けられる

直近の決算で自己資本が500万円以上なければ、銀行口座に500万円以上入れた状態で「残高証明書」を取得するか、銀行から500万円以上融資が受けれる証明として「融資可能証明書」を取得するなどしてこの要件をクリアすることが可能です。

500万円以上の資金能力についてより詳しく知りたい方はこちら

④社会保険への加入

この要件は令和2年10月1日の許可申請受付分(新規・業種追加・更新等)より、申請される事業所で、適切な社会保険の加入が許可要件となりました。

社会保険は以下になります。

社会保険
①健康保険・厚生年金保険
②雇用保険

健康保険・厚生年金保険

健康保険・厚生年金保険に加入が必要になるのは、法人、個人事業主により以下になります。

事業形態 加入義務がある事業者
法人 すべて
個人事業主 ※本人は加入できない 家族従業員を除く従業員を5人以上使用している場合

②雇用保険

雇用保険に加入が必要になるのは、下記にあてはまる労働者を1人でも雇っている場合に、法人、個人事業主に関わらず、加入義務が発生します。

以下の労働者を雇っている場合
①31日以上継続して雇用される見込みであること
②週の労働時間が20時間以上であること

社会保険への加入についてより詳しく知りたい方はこちら

⑤欠格要件に該当していないこと

欠格要件は会社の役員等が以下のいずれかに1つでも該当する場合は許可を受けることが出来ません。

欠格要件
1、書類に関する欠格要件

許可申請書又はその添付書類について、重要な事項に虚偽の記載又は重要な事項の記載が欠けている

2,人に関する欠格要件
①成年被後見人もしくは被保佐人又は破産者で復権を得ない者
②不正の手段により許可を受けたこと、又は営業停止処分に違反した事等により
 その許可を取り消されて5年を経過しない者
③許可の取消処分を免れるために廃業届を行い、その届出の日から5年を経過しない者
④許可の取消処分を免れるための廃業の届出を行った事業者について、許可の取消処分にかかる通知    
 があった日以前60日以内に、③の廃業の届出をした法人の役員等若しくは令3条使用人、又は届出
 をした個人の令3条使用人で、当該届出の日から5年を経過しない者
⑤営業の停止、禁止を命ぜられ、その停止、禁止の期間が経過しない者
⑥営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者
⑦禁固以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった
 日から5年を経過しない者
⑧建設業法、又は一定の法律に違反したことで罰金の刑に処せられ、その刑の執行が終わり、又はそ  
 の刑の執行を受ける事がなくなった日から5年を経過しない者
⑨暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
⑩申請者が未成年者で、その法定代理人又は法人でその役員等、又は令3条使用人又は個人事業でそ   
 の支配人又は令3条使用人が①~⑨に該当する場合
⑪暴力団員等にその事業活動を支配されている者

欠格要件に該当してはいけない人物は法人、個人事業主により以下になります。

事業形態 欠格要件に該当してはけない人物
法人 会社、執行社員、取締役等
個人事業主 事業主、支配人、営業所の代表者

欠格要件に該当しないことについてより詳しく知りたい方はこちら

⑥誠実性があること

誠実性とは「請負契約に関し、不正又は不誠実な行為をする恐れが明らかなものでないこと」といった要件が求められます。

不正又は不誠実な行為とは以下になります。

不正な行為
詐欺、脅迫、横領等の法律に違反する行為を行って契約を締結した場合
不誠実な行為
工事内容、天災等不可抗力による損害の負担等について請負契約に違反する行為

誠実性の要件が求められるのは法人、個人事業主により以下になります。

事業形態 誠実性が求めらる人物
法人 会社、執行社員、取締役等
個人事業主 事業主、支配人、営業所の代表者

誠実性があることについてより詳しく知りたい方はこちら

建設業許可の「解体工事業」を取得する方法まとめ

今回は、建設業許可の「解体工事業」を取得する方法について解説してきました。

これから「解体工事業」で、500万円以上の工事を請け負いたい方や事業拡大を考えている方などの参考になればと思います。

弊所は、建設業に特化した行政書士事務所になってますので、もし建設業許可を取得したい場合はお気軽にお問い合わせください。

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